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侮るなかれ!足首の捻挫について解説します

ブログをご覧下さりありがとうございます。

BIOHACK改め、Dr.KOMEDA Relaxation & Fitnessの

アスレティックトレーナー、坂内です。

 

各国アツい戦いを見せてくれているW杯、

ベスト8に残ってくるチームはどこもやはり強いですね。

 

日本は残念な結果となりましたが、

残りの試合、楽しく観戦したいと思っています。

 

さて、ブラジルのネイマール選手も

予選で足首を負傷し、決勝トーナメントに間に合うかな?

と心配していました。

 

 

何とか戻ってきたネイマールですが、

テレビを見ていると、

やはりまだ完治はしていないのだろうなと感じます。

 

 

ネイマール選手の怪我は、いわゆる

足首の捻挫 で、よく

「ぐねった」と表現され、

サッカーだけではなく、スポーツ全般、

更には日常生活でも起こりやすい怪我です。

 

そのため、「ただの」捻挫

と表現するのをよく耳にするのですが、

私は、捻挫は軽視するほど厄介な怪我になる

と考えています。

 

このブログでは、

・足首捻挫のタイプ

・足首捻挫発生のメカニズム

・足首捻挫の全身への影響

・自分でできる足首捻挫のリハビリエクササイズ

 

をお伝えします!

 

足首捻挫のタイプ

足首の捻挫

足首の捻挫はとても起こりやすい怪我の一つです。

アメリカでは、アスリートが練習や試合に参加する

1,000回に1回は足首の捻挫が発生していると言われていて、

一般の人では1,000人のうち2-7人は足首の捻挫で病院を

受診しているそうです。

 

この数字はあくまで足首の捻挫で病院を受診した人の

統計なので、実際は、年間もっと多くの人が

足首の捻挫を受傷していると推測されます。

 

 

足首を支えている主な靭帯は

細く長い靭帯が外側に3本、

対して内側は4本の靭帯が扇状になって密接に

骨と骨をつないでいます。

そのため、足首の捻挫の約85%を占めているのは

下の図のような、いわゆる「内反(ないはん)捻挫」

だというデータもあります。

 

 

残りの15%の捻挫は、外側に捻ってしまう

「外反(がいはん)捻挫」(下図の上)、そして起こったら

最も重度な「高位足関節捻挫」(下図の下)があります。

 

 

このブログでは、

最も起こりやすい内反捻挫について

お話していきます。

 

頻発する内反捻挫の中で、

更に起こりやすいのが

前距腓(ぜんきょひ)靭帯 の損傷で、

捻挫の65%を占めています。

 

その次に多いのが

・前距腓靭帯と踵腓(しょうひ)靭帯 

損傷のコンビネーションで約20%の発生率となっています。

 

足首捻挫のメカニズム

 

内反捻挫の多くは、つま先が床を向くような

底屈(ていくつ)のポジションで起こりやすく、

内反捻挫の約80%は底屈位で発生しているという

報告もあります。

 

 

今回のネイマールは、

着地の瞬間、相手の足に乗り上げてしまい、

足首が底屈位の形になって内反捻挫が起こっています。

 

 

自分で試してみるとよく分かりますが、

つま先を自分の方に向けて=背屈(はいくつ)して

足首を動かそうとしても、あまり動きません。

 

しかし、つま先を床に向けて、つまり底屈した状態で

足首を動かすと、つま先は外側には向けづらいですが、

内側には動かしやすいと思います。

なので、足首は底屈のポジションでは

とても不安定な関節となるため、

捻挫が起こりやすいのです。

 

足首捻挫の全身への影響

足首の捻挫で問題となってくるのが

慢性的な足首の不安定性

英語ではChronic Ankle Instability=CAI

と呼ばれていて、何度も繰り返し捻挫する・

捻挫グセになってしまっている状態です。

 

最近の研究では内反捻挫を起こした人の

約70%がCAIを発症、そして40%の人は初めの捻挫の

1年後にはCAIになっているという残念な報告もあります。

 

CAIになると関節が不安定になり、

少しのこと…たとえば舗装されていない道を歩いているだけ、

小さな段差を踏み外しただけ、人によっては

ただ真っ直ぐ歩いているだけで捻挫するようになってきます。

 

また、捻挫をすると起こることとして

腓骨筋(ひこつきん)という筋肉の活動が鈍くなる/反応速度が遅くなる

ことが知られています。

 

 

この腓骨筋という筋肉は外側から

足首を引き上げたり、足首の安定性を保つ役割を

果たしているので、

足首を捻りそうになった瞬間にぐっと足首を固めたり

内返しにならないように足首を外側に引き上げる、

といった反応が鈍くなる/遅くなるため

CAIを助長する一因となっていると考えられています。

 

また、CAIの影響は全身に及ぶ可能性もあります。

今年発表されたアメリカの研究では、足首の捻挫を受傷した

患者の約20%が1年後には他の部位の怪我を受傷していたそうです。

具体的には膝の怪我が10%、股関節の怪我が3%、腰椎の怪我が10%で、

これらの患者は足首捻挫の治療をしっかりと受けていなかったそうです。

反対に、捻挫の初期にきちんとリハビリや治療を受けた人たちは

その後膝や股関節、腰椎の怪我をした件数が少なかったとのこと。

 

適切に足首の捻挫に介入することは、

足首そのものの予後だけでなく、全身への健康にも大きく

影響を及ぼす可能性があるということが分かってきています。

 

自分で出来る足首捻挫のリハビリエクササイズ

 

では足首を捻挫してしまった時、どう対処するべきか?

 

まずは応急処置として、痛みや腫れを極力抑えるようにします。

怪我をした時の対処法については、別のブログ記事で解説

しているので参照してください。

 

https://biohack-japan.com/blog/820/

 

その後は骨折や靭帯の断裂などがないか、

医療機関でしかるべき診察・診断を受けましょう。

 

骨折や靭帯の断裂といった構造的な破綻がなければ、

なるべく早く…ここは個人差があるため、

専門家の見解をぜひ仰いで欲しいのですが、

急性期を過ぎた頃合いから

 

・松葉杖などで負荷を調整しながら体重をかけて歩くようにする

・痛みのない範囲で可動域を作るエクササイズを開始する↓

①つま先を自分のほうへ向け(背屈)、

床へ向ける(背屈)を繰り返す。

 

②かかとを軸に、ワイパーのように

つま先を左右に動かす

 

③A-Zまで足でアルファベットを書く。

 

・タオルなどを使い、下肢のストレッチを行う↓

 

・痛みや腫れが軽減され、可動域がある程度戻ったら

筋力回復のためのエクササイズを開始する↓

(それぞれ10×2-4セットから始める)

 

①100均でも売っているエクササイズバンドを

足にかけ、バンドの抵抗に負けないよう、

つま先を自分の方に向け→ゆっくり戻す。

 

 

②エクササイズバンドを足にかけ、

バンドの抵抗に負けないように

つま先を床へ向け→元の位置に戻す。

 

③エクササイズバンドを足にかけ、

バンドの抵抗に負けない様、足首を

内返し、外返しして→ゆっくり自分の

コントロールで元の位置に戻す。

 

・バランストレーニングを開始する↓

(20-30秒は出来るように)

 

①捻挫した方の足で立ち、バランスを取る

 

②両足で立ちながら踵をなるべく高く上げ、

バランスを取る。

 

③両足で上げた踵の高さを維持したまま、

捻挫足だけで立ち、バランスを取る。

 

④畳んだバスタオルやクッションの上など、

軟らかく不安定な足場を作って乗り、

バランスを保つ。

 

これらはエクササイズの一例ですが、

こういった基本的なエクササイズを飛ばして

スポーツに特化した動きばかり練習しても、

再受傷の可能性は高くなるでしょう。

地味なエクササイズを初期のうちにしっかりと

行うことが予後にも影響してくると思います。

 

 

 

まとめ

たかが捻挫と処置やリハビリ/トレーニングを怠ると

足首が慢性的に不安定になるだけでなく

研究でも報告されたように、身体の他の部位の傷害も

引き起こしかねません。

 

基本的なエクササイズは上に示しましたが、

どのタイミングで難易度を挙げたり、

つぎのステップへ進むかなどは

専門家の意見を仰ぐのが賢明です。

 

適切に対処し、

再発防止につとめましょう!

 

 

参照:

 

Delahunt E. et al. (2018). Clinical Assessment of Acute Lateral Ankle Sprain Injuries (ROAST); 2019 Consensus Statement and Recommendations of the International Ankle Consortium. British Journal of Sports Medicine. 52(20).

 

Foster K.S. (2022). The Influence of Therapeutic Exercise After Ankle Sprain on the Incidence of Subsequent Knee, Hip, and Lumbar Spine Injury. Medicine & Science in Sports & Exercise. 

 

Halabchi F. and Hassabi M. (2020). Acute Ankle Sprain in Athletes: Clinical Aspects and Algorithmic Approach. World Journal of Orthopedics. 11(12).

 

Herzog M. (2019). Epidemiology of Ankle  Sprains and Chronic Ankle Instability. Journal of Athletic Training. 54(6).

 

Labanca L. et al. (2021). Muscle Activation During Functional  Tasks in Individuals with Chronic Ankle Instability: A Systematic Review of Electromyographical Studies. Gait & Posture. 90.

Ty Hopkins J. et al. (2009). Deficits in Peroneal Latency and Electromechanical Delay in Patients with Functional Ankle Instability. Journal of Orthopaedic Research.

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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